小学生の走り方を見ていて、「ドタバタ音が大きい」「足を強く叩きつけているように見える」「走ると身体が重そう」と感じることがあります。
足音が大きいからといって、すぐに悪い走り方と決めつける必要はありません。ただし、足音が極端に大きい、走るとすぐ疲れる、転びやすい、方向転換でバランスを崩す場合は、身体の使い方を見直すヒントになります。
走る動きは、足だけでなく、姿勢、腕振り、接地、リズム、バランスが組み合わさって成り立っています。ドタバタした走り方に見える子は、地面に力を伝えるタイミングや、身体を前へ運ぶ姿勢がまだうまく整っていないことがあります。
この記事では、小学生の走り方がドタバタする原因と、家庭で観察したいポイント、改善を目指す練習方法を解説します。
ドタバタ音がする走り方でまず見ること
ドタバタ音がする場合は、足音そのものよりも、どのような姿勢で走っているかを見ることが大切です。
よく見られるのは、上体が後ろへ倒れている、足が身体より前に出すぎている、腕が横に振れて身体が左右にぶれる、膝や足首が固く見える、着地のあとに次の一歩が遅れるといった状態です。
足音が大きくなる背景には、足を強く下ろしているだけでなく、身体の重心より前に足が着いてブレーキがかかっていることもあります。この場合、前へ進む力が弱くなり、走りが重く見えやすくなります。
原因1:足が身体より前に出すぎている
走るときに足が身体より前に出すぎると、着地のたびにブレーキがかかりやすくなります。
この状態では、足音が大きくなりやすく、身体も上下に弾むように見えることがあります。本人は一生懸命走っていても、地面に加えた力が前へ進む力に変わりにくく、疲れやすくなる場合があります。
家庭で見るときは、横から動画を撮ってみると分かりやすいです。足が身体のかなり前に着いていないか、上体が後ろへ残っていないかを確認しましょう。
原因2:姿勢が後ろに残っている
上体が後ろへ倒れると、足だけが前に出やすくなります。
速く走るためには、身体全体が少し前へ進むような姿勢が必要です。腰だけを曲げるのではなく、頭から足までが大きく崩れない状態で前へ進めると、接地の衝撃も受け止めやすくなります。
「前に倒れなさい」と強く言うと、子どもは腰だけを曲げてしまうことがあります。まずは、背すじを伸ばしたまま軽く前へ歩く、短い距離をリズムよく走るなど、自然に前へ進む感覚を作ることが大切です。
原因3:腕振りが横に流れている
腕が横に振れると、身体も左右にぶれやすくなります。
身体が左右にぶれると、足をまっすぐ前へ運びにくくなり、着地が強くなったり、走りのリズムが乱れたりします。ドタバタ音がする子の中には、腕振りと足のリズムがうまく合っていないケースもあります。
家庭では、走る前にその場で腕振りを確認しましょう。肘を軽く曲げ、肩に力を入れすぎず、前後に振ります。大きく振ることよりも、横に流れないことを優先します。
原因4:止まる・着地する力が弱い
ドタバタした走り方は、着地や停止の姿勢とも関係します。
ジャンプしたあとに大きな音で着地する、止まるときに上体が大きく崩れる、方向転換で足音が強くなる場合は、身体を支える力やバランスの使い方を見直すとよいでしょう。
小学生では、重い筋トレをするより、自分の体を安定して支える練習が大切です。静かに着地する、良い姿勢で止まる、片足でバランスを取るなどの練習が、走るときの接地にもつながります。
家庭でできる練習1:静かな足踏み
まずは、その場で静かに足踏みする練習から始めましょう。
背すじを伸ばし、足を強く叩きつけるのではなく、リズムよく足を入れ替えます。足音をゼロにする必要はありませんが、「ドン」と強く踏むより、「トントン」と軽く弾む感覚を目指します。
慣れてきたら、腕振りを合わせます。腕と足のリズムが合うと、走り出したときのドタバタ感も少しずつ変わりやすくなります。
家庭でできる練習2:短い距離を軽く走る
長い距離を何本も走るより、短い距離を良い姿勢で走る方が取り組みやすいです。
5〜10メートルほどの距離で、足音を少し小さくする意識を持ちながら走ります。ただし、「音を出さないで」と言いすぎると、動きが小さくなったり、つま先だけで不自然に走ったりすることがあります。
声かけは、「背すじを伸ばそう」「腕を前後に振ろう」「軽くリズムよく走ろう」くらいに絞るとよいでしょう。
家庭でできる練習3:止まる練習
ドタバタした走り方を見直すには、止まる練習も役立ちます。
2〜3メートル先に目印を置き、そこまで軽く走って止まります。止まったときに上体が大きく倒れていないか、膝が内側へ入りすぎていないか、足音が強くなりすぎていないかを確認します。
サッカーやバスケでは、走るだけでなく、止まる、曲がる、再加速する動きが必要です。良い姿勢で止まれることは、スポーツで使える速さにもつながります。
痛みや左右差がある場合は無理をしない
足音が大きいだけであれば、走り方や身体の使い方を見直す余地があります。
ただし、走ると痛がる、片足だけ極端に音が大きい、いつも同じ足でつまずく、歩き方にも違和感がある、転倒が非常に多いといった場合は、運動指導だけで判断しないことが大切です。必要に応じて医療機関や専門家に相談しましょう。
家庭での練習は、痛みがない範囲で、短時間から行うのが基本です。
小学生の身体づくりでは多様な動きが大切
小学生の走り方改善では、フォームだけでなく、多様な動きの経験も大切です。
文部科学省の幼児期運動指針では、幼児期から多様な動きを経験することの重要性が示されています。小学生年代でも、走る、跳ぶ、止まる、曲がる、バランスを取る、反応するといった動きを幅広く経験することが、身体の使い方を育てる土台になります。
スポーツ庁の令和7年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果は、子どもの体力や運動習慣を把握する公的資料です。走り方を整えるときは、短距離だけでなく、日常の中で身体を動かす機会を増やすことも意識しましょう。
参考:スポーツ庁「令和7年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」
キャスクでできるサポート
キャスクスピードトレーニングでは、小中学生を対象に、コーディネーション、アジリティ、スピード、クイックネスを組み合わせて、子どもの「動く」「走る」力を伸ばすトレーニングを行っています。
ドタバタした走り方に見える場合、単に「もっと速く走る」だけではなく、姿勢、腕振り、接地、止まり方、方向転換、バランスを総合的に見ることが大切です。
家庭では気づきにくい癖も、専門的に見ることで課題が整理しやすくなります。なお、公的情報は子どもの運動経験や体力を考えるための参考であり、CASQが公的機関から推奨・認定されているという意味ではありません。
よくある質問
Q. 足音が大きいと悪い走り方ですか?
足音だけで悪いとは言い切れません。ただし、足が身体より前に出すぎる、上体が後ろに残る、走るとすぐ疲れる場合は見直しのヒントになります。
Q. ドタバタ走りは家で直せますか?
静かな足踏み、短い距離の軽いダッシュ、止まる練習などで改善を目指せます。痛みや強い左右差がある場合は無理をしないでください。
Q. つま先で走らせればよいですか?
つま先だけを意識しすぎると不自然になることがあります。足先だけでなく、姿勢、腕振り、接地の位置、リズムを合わせて見ることが大切です。
まとめ
小学生の走り方がドタバタする場合、足音だけで判断するのではなく、姿勢、接地、腕振り、リズム、止まり方を見ることが大切です。
足が身体より前に出すぎている、上体が後ろへ残っている、腕が横に振れている、止まるときに姿勢が崩れる。こうした要素が重なると、走りが重く見えたり、足音が大きくなったりすることがあります。
家庭では、静かな足踏み、短い距離の軽いダッシュ、止まる練習から始めてみましょう。痛みや強い左右差がある場合は、無理に練習を続けず、専門家に相談することも大切です。
体験レッスンをご希望の方へ
キャスクスピードトレーニングでは、走り方、止まり方、方向転換、バランス、反応などを小中学生向けに専門的に指導しています。
お子さまの走り方がドタバタしている、足音が大きい、走ると疲れやすい、サッカーや運動会に向けて身体の使い方を見直したい方は、お近くのスクールや体験レッスンをご確認ください。
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