小学生の50m走タイムを縮めるには、ただ何本も走るよりも、スタート、姿勢、腕振り、接地、加速の流れを整えることが大切です。
「運動会までに少しでも速くしたい」「50m走の記録がなかなか伸びない」「家で何を練習すればいいか分からない」と悩む保護者の方は多いと思います。
50m走は短い距離ですが、最初の10m、加速、フォームの安定、最後までスピードを落とさない走り方がタイムに関わります。小学生の場合、筋力だけでなく、身体の使い方を覚えることで走り方が変わる余地があります。
この記事の結論
小学生の50m走タイムを縮めたいときは、まず次の5つを見直しましょう。
| 見直すポイント | よくある課題 | 家庭でできる練習 |
|---|---|---|
| スタート | 一歩目が遅れる、上体がすぐ起きる | 5mのスタート練習 |
| 姿勢 | 上体が後ろに逸れる、左右にぶれる | 壁を使った姿勢づくり |
| 腕振り | 腕が横に流れる、肩に力が入る | その場の腕振り |
| 接地 | 足が前に出すぎてブレーキになる | その場ジャンプ、短いスキップ |
| 加速 | 最初の10mでスピードに乗れない | 10〜20mの短いダッシュ |
大切なのは、50mを何本も走らせることではありません。短い距離で良い動きを確認し、疲れてフォームが崩れる前に終えることです。
50m走のタイムを縮めるには何から見直すべきか
まず見直したいのは、走る量ではなく「タイムを落としている原因」です。
小学生の50m走でよく見られるのは、スタートで一歩目が遅れる、上体が後ろに逸れる、腕が横に振れる、足が身体より前に出すぎてブレーキになる、途中で身体が左右にぶれるといった状態です。
これらがあると、本人は一生懸命走っていても、地面に加えた力が前へ進む力に変わりにくくなります。まずは、長く走らせる前に、どこでスピードを失っているかを見ることが大切です。
スポーツ庁の令和7年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果は、子供の体力や運動習慣を把握するための公的資料です。個別のフォーム改善法を示す資料ではありませんが、小学生の走力や体力を考える際の背景情報として参照できます。
参考:スポーツ庁「令和7年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」
小学生の50m走平均タイムは目安として見る
50m走のタイムを縮めたいときは、平均タイムを知っておくと現在地を把握しやすくなります。
e-Statに掲載されているスポーツ庁の体力・運動能力調査では、令和7年度速報として、6〜11歳を含む学校段階別の50m走平均値が公表されています。小学生年代の平均値は次の通りです。
| 年齢 | 男子の平均値 | 女子の平均値 |
|---|---|---|
| 6歳 | 11.54秒 | 12.01秒 |
| 7歳 | 10.66秒 | 11.03秒 |
| 8歳 | 10.00秒 | 10.45秒 |
| 9歳 | 9.62秒 | 10.05秒 |
| 10歳 | 9.27秒 | 9.67秒 |
| 11歳 | 8.91秒 | 9.27秒 |
ただし、平均より速い・遅いだけで子供の能力を判断する必要はありません。成長時期、運動経験、測定環境によってタイムは変わります。平均値は、焦るためではなく、練習の目安を考える材料として使いましょう。
参考:e-Stat「体力・運動能力調査 令和7年度(速報) 学校段階別テストの結果 50m走、立ち幅とび、ソフトボール投げ・ハンドボール投げ」
まずは現在のタイムと走り方を記録する
改善するには、今の状態を知ることが出発点です。
50mを1本測るだけでなく、走っている様子を横から動画で撮ってみましょう。動画を見ると、スタートで身体が起き上がりすぎていないか、腕が前後に振れているか、足が前に出すぎていないか、ゴール前で力んでいないかが分かりやすくなります。
タイム測定では、毎回条件をそろえることも大切です。地面の状態、靴、スタート方法、測る人、風の影響が変わると、記録も変わります。1回の記録だけで判断せず、同じ条件で数回測り、平均的なタイムを見るとよいでしょう。
スタートの一歩目を速くする
50m走では、最初の一歩目がタイムに大きく影響します。
スタートで上体がすぐに起き上がると、前に進む力が弱くなります。反対に、身体全体を少し前へ倒し、前へ押し出すように一歩目を出せると、加速につながりやすくなります。
家庭でできる練習としては、5mのスタート練習がおすすめです。5mほど先に目印を置き、合図に反応して一歩目を出します。大切なのは、50mを何本も走ることではなく、最初の3歩を丁寧に繰り返すことです。
姿勢と腕振りを整える
速く走るには、上体が大きくぶれない姿勢と、前後に振れる腕振りが大切です。
小学生でよくあるのは、腕が身体の前で横に流れる走り方です。腕が横に振れると、上半身が左右にぶれやすくなり、まっすぐ前へ進む力が弱くなります。
練習では、肘を軽く曲げ、肩に力を入れすぎず、前後に振ることを意識します。最初はその場で腕振りだけを行い、慣れてきたら軽い足踏みと組み合わせるとよいでしょう。
ただし、腕を大きく振れば速くなるわけではありません。力んで肩が上がると、フォームが崩れやすくなります。速く振るよりも、リズムよく前後に振ることを優先しましょう。
足を前に出しすぎない
50m走のタイムを縮めたいとき、見落とされやすいのが接地です。
足が身体より前に出すぎると、地面に着いた瞬間にブレーキがかかりやすくなります。本人は大きな歩幅で走っているつもりでも、前へ進む力を自分で止めてしまうことがあります。
大切なのは、無理に大股で走ることではなく、身体の下に近い位置で地面をとらえ、後ろへ押す感覚を身につけることです。
その場ジャンプや短いスキップは、地面に力を伝える感覚をつかむ練習になります。高く跳ぶことより、姿勢を崩さず、リズムよく接地することを意識しましょう。
50mを毎日全力で走る必要はない
タイムを縮めたいからといって、毎日50mを何本も全力で走る必要はありません。
疲れた状態で何本も走ると、フォームが崩れたまま練習を重ねてしまうことがあります。小学生の場合は、短い時間で集中して、良い動きを確認しながら進める方が取り組みやすいです。
文部科学省の幼児期運動指針では、多様な動きを経験することの重要性が示されています。小学生の練習でも、50m走だけを繰り返すより、姿勢、ジャンプ、反応、止まる動きなどを組み合わせる方が、身体の使い方を育てやすくなります。
家庭では、姿勢づくりを1分、腕振りを1分、5mのスタート練習を3〜5本、その場ジャンプやスキップを少し、最後に10〜20mを数本走るくらいから始めるとよいでしょう。
運動会前に気をつけたいこと
運動会前は、急に練習量を増やしすぎないことが大切です。
本番が近いからといって、長い距離を何本も走らせたり、疲れるまで練習したりすると、フォームが崩れたり、身体に負担がかかったりすることがあります。
本番前に意識したいのは、スタートの合図に反応すること、最初の3歩を前へ出すこと、最後まで顔を上げすぎずに走ることです。細かい修正を一度に詰め込むより、子供が覚えやすいポイントを1つか2つに絞りましょう。
サッカーやバスケにも50m走の速さは活きる
50m走のタイム短縮は、運動会だけでなく、サッカーやバスケなどのスポーツにも役立ちます。
直線を速く走る力があると、サッカーではスペースへの抜け出し、相手より先にボールへ触る動き、守備から攻撃への切り替えで強みになります。バスケでも速攻や戻りの速さに関わります。
ただし、球技では50mをまっすぐ走る場面だけではありません。止まる、曲がる、反応する、再加速する力も必要です。
キャスクスピードトレーニングでは、小中学生を対象に、コーディネーション、アジリティ、スピード、クイックネスを主軸として、子供の「動く」「走る」力を高めるトレーニングを行っています。CASQの案内は、公的機関が特定スクールを推奨しているという意味ではなく、スクール独自の指導方針として紹介しています。
よくある質問
Q. 小学生の50m走タイムを縮めるには何から始めればよいですか?
まずは現在のタイムと走り方を記録し、スタート、姿勢、腕振り、接地のどこでスピードを失っているかを見ましょう。いきなり50mを何本も走るより、5〜20mの短い距離で良い動きを確認する方が取り組みやすいです。
Q. 50mを何本も走れば速くなりますか?
本数を増やすだけではフォームが崩れることがあります。短い距離で一歩目や腕振りを確認し、良い動きで終えることが大切です。
Q. 運動会前はどんな練習がよいですか?
疲れを残さない範囲で、5〜10メートルのスタート練習、腕振り、最後まで走り切る練習を短時間で行うとよいでしょう。
まとめ
小学生の50m走タイムを縮めるには、走る量を増やすだけでは不十分です。
スタートの一歩目、腕振り、姿勢、接地、加速の流れを整えることで、今より速く走るための土台を作れます。特に小学生は、身体の使い方を覚えることで走り方が変わりやすい時期です。
まずは現在の走り方を動画で確認し、短い距離で良い動きを繰り返してみましょう。
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