タグラグビーのコツは、足の速さだけでなく、相手のいない場所を見つけ、味方とつながりながら動くことです。体育で何をすればよいか迷う小学生に向けて、攻め方と守り方の基本、親子で試せる動きづくりを紹介します。
「ボールを持つと止まってしまう」「友達を追いかけるだけになる」。初めてのゲームでは、ルールを考えながら周りも見ることが難しく感じられます。いきなり相手を抜くことを目標にせず、自分が参加しやすい動きを1つずつ見つけていきましょう。
最初に確認したいタグラグビーの基本
タグラグビーでは、ボールを運ぶ攻撃と、腰につけたタグを取る守備を行います。タックルで相手を倒す競技ではありません。走る方向や相手との距離を考える前に、授業で使うルールを確認しましょう。
国立教育政策研究所の小学校体育の資料には、前方へのパスを認めないことや、接触を避けることなどを取り入れた授業例が示されています。人数、タグを取られた後の動き、得点の方法などは授業や大会によって異なるため、先生や指導者の説明を優先してください。
家庭で確認するなら、「ボールを持ったらどこへ進む?」「タグを取られたらどうする?」「どんな接触が禁止?」の3点から始めると整理しやすくなります。ルールを知らずに立ち止まっている場合は、走る練習を増やすより、ゲームの流れを一緒に確かめることが先です。
参考:国立教育政策研究所「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料 小学校 体育」事例3・タグラグビーの授業展開例
攻撃のコツは、空いた場所と味方を見ること
攻撃では、相手の正面へ向かうことだけでなく、進める場所やパスをつなげる相手を探します。
ボールを持ったら、進む先を確かめる
受け取ったボールばかり見ていると、相手との距離が近づいても気づきにくくなります。まず顔を上げ、前方や斜め前に人のいない場所があるかを見ましょう。
相手の近くで急に大きく曲がるより、余裕のある距離で進む方向を選ぶところから始めます。タグを守ろうとして相手の手を払いのけたり、身体を押したりしないことも大切です。速く抜けるかどうかだけでなく、接触せずに進む場所を選べたかを振り返ってください。
声かけの例は「もっと走って」ではなく「どっちに空いている場所が見える?」です。動く前に見る場所が分かると、子ども自身も試したことを説明しやすくなります。
ボールを持っていないときも参加できる
味方がボールを持ったら、すぐ隣に集まるのではなく、パスを受けられる位置へ動きます。前に投げられないルールなら、ボールを持つ味方より前へ出すぎず、後方や斜め後ろから支えることを考えます。
「自分もボールを触りたい」という気持ちから一か所へ集まると、走る場所やパスの通り道が狭くなります。「味方から自分は見えているかな」「ボールが通る場所はあるかな」と、距離も確認しましょう。足が速くなくても、受けやすい場所へ動くことはチームへの参加になります。
守備のコツは、飛び込まずについていくこと
守備では、タグだけに手を伸ばして追いかけるより、相手の進む方向に合わせて足を動かすことから始めます。
腕だけを伸ばすと身体が前へ傾き、相手が曲がったときについていきにくくなります。相手にぶつからない距離を保ち、動きを見ながら位置を調整しましょう。服や腕をつかんだり、進路へ身体を投げ出したりする方法は避けます。
タグを取れなかった場面でも、「最後まで相手を見ていた」「倒れずに向きを変えられた」など、できた動きを認めてください。タグの本数だけで評価しないことが、次の練習にもつながります。
困っている場面に合わせて、練習を選ぶ
同じ「動けない」でも、ルールへの戸惑い、周囲の見方、身体の切り替えなど、確認したい点は異なります。
| 困っている場面 | 確認したいこと | 家庭での声かけ例 |
|---|---|---|
| ボールを持つと止まる | 進む先や味方が見えているか | 「前と横、どこが空いている?」 |
| 味方の近くに集まる | パスを受ける間隔があるか | 「ボールが通る道を作ろう」 |
| 守備で身体が流れる | 手だけで追いかけていないか | 「まず足でついていこう」 |
動きを一度に指示する必要はありません。まず本人に「何が難しかった?」と聞き、1つだけ試します。ゲームへの不安が強い場合は、先生にも授業中の様子を相談すると、家庭では見えない困りごとを共有できます。
親子で試せる、接触しない動きづくり
家庭では本格的な試合を再現せず、見る・動く・止まる経験を短く取り入れます。柔らかいボールや平たい目印を使い、人や物のない平らで滑りにくい場所で行いましょう。最初は歩く速さで十分です。
1. 左右の空いた通り道へ進む
左右に1つずつ、目印で通り道を作ります。保護者が片側を指差したら、子どもは反対側の道へ歩いて進みます。これは人のいない方向を選ぶ練習例です。慣れたら「指差した側へ行く」など、合図の意味を変えても構いませんが、始める前に約束を共有します。
3〜4回ごとに休み、正しく選べる速さで行います。通り道の先にも止まれる余白を設け、保護者が身体で進路をふさいだり、急に飛び出したりしないでください。
2. 離れてまねするミラー遊び
親子が手を伸ばしても触れない距離で向かい合い、保護者のゆっくりした横移動を子どもがまねします。タグを取る競争にはせず、相手を見ながら足を動かす経験にします。
1回10秒ほどを2回程度から試し、間に休憩を入れます。足が絡む、身体が大きく傾く場合は歩幅と速さを小さくしましょう。急な反転や追い込みは不要です。
3. パスした後に、受ける場所へ動く
近い距離で柔らかいボールを渡し、渡した人が横へ1〜2歩動いてから、もう一度受け取ります。最初は手渡しでも構いません。ボールを離した後にも動くことを経験する遊びで、試合の配置をそのまま練習するものではありません。
往復を3回程度行い、ボールが転がったら一度止めて拾います。取り合いをしたり、勢いよく追いかけたりしないよう、大人が間隔を調整してください。
楽しく参加するための安全と振り返り
家庭練習は毎日のノルマにせず、本人に余裕のある日に、1種目を数分から始めます。授業や習い事で疲れた日は休み、屋外では暑さや水分補給にも気を配りましょう。
膝が大きく内側へ入る、止まるたびにふらつくときは、速さを落とします。痛みや強い違和感があれば中止し、続く場合は医療機関などへ相談してください。
終わった後は、「今日は空いた場所を見つけられたね」「味方のために動けたね」と、結果以外の変化を言葉にします。次の授業で試したいことを本人が1つ選べれば、短い練習にも意味があります。
身体の使い方に迷ったら
ルールや授業中の役割は学校の先生に相談し、走り出しや方向転換、バランスなどは身体の動きを見る視点から整理します。
キャスクスピードトレーニングでは、小中学生に向けて、一歩目の反応や方向転換を含む身体づくりを行っています。タグラグビーの戦術指導とは分けて、球技全般で使う「見て動く」「止まって向きを変える」動きについて相談できます。
よくある質問
小学生がタグラグビーで意識したいコツは何ですか?
空いた場所を見ることと、ボールを持っていないときも味方を支えることです。速く走るだけでなく、パスを受けられる位置を考えると参加の仕方が増えます。まず授業のルールを確認し、試す動きを1つ選びましょう。
足が遅い子でもタグラグビーを楽しめますか?
楽しみ方は走る速さだけでは決まりません。周りを見る、味方へつなぐ、受ける位置へ動くなどの役割があります。得点やタグの本数だけで比べず、本人ができた動きを一緒に見つけてください。
家庭ではタグを取る練習をした方がよいですか?
最初から取り合いをする必要はありません。離れて相手の動きをまねする、合図を見て進む方向を選ぶなど、接触しない遊びから始められます。タグを使う場合は先生や指導者にルールと安全な方法を確認しましょう。
まとめ
タグラグビーでは、空いた場所を見つけて進むことも、味方が受けやすい位置へ動くことも大切です。家庭では接触しない短い遊びから始め、本人が「次はこれを試そう」と思える動きを増やしていきましょう。
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